●ライフストーリー研究会8月例会(夏期研究集会)第3報告について報告します。

【第3報告】

在日コリアン高齢者介護施設における相互扶助についての考察
伊藤尚子

報告と質疑の要旨

2018 年度投稿論文に向けた途中経過の報告を行った。
1 世で女性である在日コリアン高齢者として渡日した方の語りから、異国で高齢期を迎える在日コリアン高齢者が集まる介護施設で見られた相互扶助行為の意味を問う報告を行った。
インタビュー協力者は、幼少期に親とともに朝鮮半島から渡日した女性在日コリアン高齢者と、結婚し朝鮮半島から渡日した女性在日コリアン高齢者の 2 人であった。
報告には以下のような批判・質問が寄せられた。
・2 人のデータから相互扶助行為としてデータを示すには、やや温度差があるといった指摘
・語りの中で現れた在所というキーワードに当事者がどのような意味を付与しているのか
・幼少期に渡日した場合の当事者にとっての母国語の意味づけ
・結婚とともに渡日することになった経緯
・インタビューを行った場所の影響
・過去のデータを使用することの意味など。
データから示されているのは、相互扶助行為を含めてもっと多様性が示されている事、過去のデータではあるが戦争経験者として、今はもう語る事の出来ない語りである事を示すこと、幼少期に渡日した高齢者の母国語をどのように解釈するのかその重要性を示したうえで、フィールドワークと倫理の関係など研究会の質疑応答から多くのヒントを頂いた。
これらの貴重な意見をもとに、さらに内容をブラッシュアップし論文を完成させたい。

(報告者伊藤さんによるまとめを元に、web提示用に一部編集しています)