LS研究会レポート(2019年8月夏期研究集会)インドシナ難民が語る日本、日本人が語るインドシナ難民

インドシナ難民が語る日本、日本人が語るインドシナ難民

報告:長谷部美佳

日時:8月31日(土)14:50~16:30)
場所:JLSR研究所

報告へのコメントと今後の対応(「→」はコメントへの応答)
1.語り2名に関するプロフィールなどは、図表、あるいは年表にして、図式化して見やすくしてはどうか。
→ 年表などを作ってみます。できればインドシナ難民が入ってきた年表をもとに。
2.日本社会学会に報告するのではれば、焦点を絞った方がよいので、日本社会については省略し、エスニック・コミュニティとの関係を子育て期まで語った5(4)まででまとめるとよいのではないか。
→ そうします。
3.日本社会については十分語っていないように見える
4.この二人の語りは難民がどう増えていったか、その中でAさんBさんがどう格闘していったかを書いている。特にBさんの結婚の部分は不幸な結婚とエスニック・コミュニティが書かれている。
5.この二人は初期の難民なので、日本にはもともと彼らのコミュニティはなかったはず(既存のコミュニティ)それが作られている過程に、いろんな形でかかわっているのでは?最初は親族関係がエスニック・コミュティだが、どんどん関係が増えていくことで拡大していくと考えられる。
6.例えば、Aさんがコミュニティに入っていくようになるのは、最初は自分の家族だけでやっていったが、友人が増えコミュニティに入っていく、これはエスニック・コミュニティができている時代と同じだろう。
7.国籍を取って、ある種「成功している人たち」の事例で、30年近く住んでいる人にとってもエスニック・コミュニティが重要であると示唆するのは、重要な点。
8.エスニック・コミュニティは一つなの?
→ 実は内部に派閥のようなものがあったらしい。
→ これは書いたほうがいい。悪く書く必要はないが、内部に小さなグループができやすいことは、書いたほうがよい。普通は、エスニック・コミュニティというと1つだと聞き手は思う。
9.以上エスニック・コミュニティに関する語りの部分をきちんと解釈する部分で、日本社会学会は報告するとよいのでは、とご提案いただく。→ その方向でもう一度まとめます。
10.そのうえで、日本社会を語るところは別建てで、違う論文とした方がよい。
11.特に、2人の現在のアイデンティティが違うこと「日本人かカンボジア人か」については、報告のような結論を出すとするなら、語りが必要。
(語りが記載されていないので、記載します)
12.アイデンティティを考えるときに、エスニック・コミュニティの負の側面をどう評価するか、国籍とアイデンティティの関係はどうであって、その関係をどう語るのかを聞き取ることは非常に重要。
(ここは再聞き取りが必要かもしれません)
13.インドシナのそれぞれの国の関係はどうなっているの?
→ベトナムとカンボジアはよくない。ただ、同じ場にいれば仲良くする。ベトナムは北と南がよくない。
14.移民という言葉を使っているが、政府は使っていない。そのことについてはどう思うか。
→ 基本的に報告者の立場は、彼らは「移民」だということ。その認識に立ったうえで、今後の研究も進める
15.不幸な結婚への圧力の事例があったが、現在でもそういうことはあるのか?
→ 伝聞では聞いたことがある。親が結婚を決めてしまうということはよくあるらしい。それがうまくいくこともあるが、当然ダメなこともある。
16.今後も、こういう方向と方法で研究を進めるのか。→ はい!
17.報告が終わった後、いただいたコメント。「Bさんの漫画やアニメ、アイドルについての語りのところで、長谷部が「はしゃいでて可愛い」と説明していたが、それがトランスクリプトからも感じ取れた。トランスクリプトを記載することの意味が感じられました。」
18.そのうえで、さらに「Bさんが、日本語や日本文化に馴染んでいく際に、漫画やアイドルといったものが、大きな役割を果たしたということをより説得力を持って描き出されるのではないか、とコメントをいただき、なおかつ、聞き手である長谷部もはしゃいでいる様子が伝わったとのこと。「漫画やアニメ、アイドルといったものが、同世代の日本人との間で、弾む話題、はしゃぎ合うことのできる話題、という特性があり、言語や文化を体得するにあたって、娯楽的要素、分かりやすさ、身近さなどのほかに、これらを通じて、日本人とコミュニケーション図ってきたという側面が見受けられないか」とのコメントをいただきました。
19.長谷部の感想。まずはエスニック・コミュニティと日本社会に長い成功者との間の関係が、トランスクリプトとその解釈を通して、参加者の皆さんに伝わったことで、ほっとしています。そのうえで、まとめ方や、どこを中心にすべきかなど、皆さんには大変有意義なコメントを頂戴しました。また、長谷部が書いたトランスクリプトで、「はしゃいでいる」話者の様子が伝わり、その意味が分かったとおっしゃっていただけたことは、大変ありがたく、またそれに付随して「語り手だけでなく聞き手の応答も重要な解釈の手続きのひとつであることを確認できます」とのコメントをいただきました。本当に有意義でした。

(作成:長谷部美佳、web版編集:JLSR研究所)

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