(ライフストーリー研究会例会:2026年7月4日(土))逆風下における中国大学日本語専攻教員の専門再定義とキャリア・レジリエンス――日本留学博士取得者5事例の質的分析

ライフストーリー研究会例会を7月4日に行います。
皆さまのご参加をお待ちしております。

(通常例会は研究所会員のみで開催しております。ご了承のほどよろしくお願いいたします。)

逆風下における中国大学日本語専攻教員の専門再定義とキャリア・レジリエンス――日本留学博士取得者5事例の質的分析

【報告者】 王宗成
【開催日時】2026年7月4日(土)14:00-17:00
【開催場所】日本ライフストーリー研究所
【開催形式】オンライン(zoom)会議(研究所の改装工事のため原則オンライン))
【参加資格】研究所会員限定
*オンライン参加の方ヘは、申込締め切り後zoomのご案内をいたします。
下記の申込みフォームよりお知らせください。
7月4日ライフストーリー研究会参加申込み
(参加申込みのボタンは、本ホームページのトップページにもあります。申込締め切り日は7月1日(木)です。)

【概要】
本報告の目的は、中国の大学において日本語専攻教育に携わる日本留学博士取得者が、近年の日本語教育をめぐる逆風下で、留学経験を通して形成した比較視点や教育観・研究観をどのように捉え直し、専門性の再定義とキャリア・レジリエンスへとつなげているのかを、ライフストーリー分析を通じて検討することである。中国の大学日本語専攻は、学科再編、社会的需要の変化などにより、従来の言語教育を中心とする専門性だけでは自己の職業的意義を十分に説明しにくい状況に置かれている。よって、教員が異文化間学習の経験を媒介として、帰国後の教育実践や研究活動、学生との関わりを再解釈していくことは、個人のキャリア継続のみならず、日本語教育の意義を再構成する上でも重要である。

本研究では、異文化間学習、専門性形成、キャリア・レジリエンスを参照枠とし、中国の大学に勤務する日本留学博士取得者5名へのインタビューをもとに検討を行った。本報告では、各事例の語りに着目しつつ、留学期における研究指導、生活経験、他者との関係性が、帰国後の制度的・職業的制約のなかでどのように意味づけ直され、教育実践上の工夫やキャリア形成へと接続されていくのかを読み解く。語りからは、日本での学習・研究経験が、精確さを重視する姿勢、多面的に物事を見る視点、学習者に寄り添う教育観、越境的な研究・教育実践として再解釈され、逆風下における専門性の再構築を支えている様相がうかがえた。さらに、これらの経験は単なる環境への適応にとどまらず、制約のなかで自己の教育・研究の意味を組み替え、学生や同僚、所属組織に働きかける実践へと展開していた。