(お知らせ)ライフストーリー研究会第2回夏期研究会の開催

第2回夏期研究会を以下のように開催します。みなさまの参加をお待ちしております。

日 時:8月28日(日) 12:30~17:20 終了後、懇親会~19:00(会員無料、非会員500円)
場 所:(社)日本ライフストーリー研究所

●第1報告(12:30~14:00)
語りからみる海外駐在員配偶者女性の自己の場所形成
                                        三浦優子(立教大学大学院博士課程)
デュッセルドルフの海外駐在員配偶者女性たちが、どのように人やコミュニティとつながり、日本人コミュニティの中で、自分の居場所を形成しているのか、また、自己の居場所形成においてどのような要因が影響をしているのかを現地に住む海外女性配偶者のライフストーリーから考察する。更にデュッセルドルフから帰国した女性たちが、かつて、どのように自己の場所形成をしていたのかをインタビューから考察し比較を試みたい。

●第2報告(14:10~15:40)
日本語教育におけるライフストーリー研究の展開
                                           三代純平(武蔵野美術大学)
 2000年代に入り、日本語教育においてライフストーリー研究が盛んに取り上げられるようになった。その背景の一つには、第二言語習得研究において社会文化的アプローチが注目されるようになったことがある。社会に埋め込まれた学習、社会参加を通じた学習の意味が見直されはじめた。社会の中における日本語の学びや日本語教育の在り方自体を考察する方法の一つとしてライフストーリー研究がおこなわれている。本発表では、日本語教育のライフストーリー研究が、この15年間どのように展開してきたのかを整理し、日本語教育におけるライフストーリー研究を議論したい。

●第3報告(15:50~17:20)
「思想の科学」におけるライフヒストリー研究(仮題)               
                                        中西茂行(金沢学院大学名誉教授)
1.「思想の科学」について
2.「思想の科学」におけるライフヒストリー研究
 (1)「ひとびとの哲学」研究史における1953,1954年頃、 (2)鶴見和子と生活記録運動、鶴見俊輔と転向研究
3.和子、俊輔の相同性(と相異性)
 (1)二つのコンプレックス(スーペリオリティ・コンプレックスとアメリカ・日本二文化アイデンティティ・コンプレック   ス)、(2)プラグマティズム、(3)柳田國男 ⇒ひとびとの哲学へ/ホモロジカルアプローチへ
4.社会学アカデミズムの研究史に照らした時の「思想の科学」(俊輔、和子)の研究スタンスの意義
 (1)1953,4年頃の社会学実証研究動向と俊輔、和子の研究スタンス、①「個人歴史性」注視の斬新さ、②集団的人間類型における 典型的個人として研究対象者を捉えることの時代性、(2)鶴見和子・俊輔は、中野卓編著『口述の生活史』をどのように評価し たか。