【会員文献紹介】上田喜三郎 『ハワイ移民漁師の生活史』

上田喜三郎(編著)『ハワイ移民漁師の生活史』

(御茶ノ水書房 2023年11月)

会員の上田喜三郎さんの2冊目のライフヒストリーの書である。1作目は、もう30年前になるが、鳥取の牛ノ戸焼きの陶工の親方の生涯だった。今回の2作目は、和歌山出身のハワイ移民の漁師の生活史である。『ハワイ移民漁師の生活史』(御茶の水書房、2023年11月)は、1980年の出会いから語り手が亡くなる1992年まで何度もインタビューを重ねて、今、高齢になった著者が長年念願にしていた出版にこぎつけたものである。私は上田さんと大学院時代からのつきあいであるが、この出版を心から喜んでいる。ハワイ移民の戦前からの生活、太平洋戦争における強制収容所などの話が語られ、移民研究や戦時を挟む生活変化などの研究に資する文献である。
(研究所facebookページからの転載)