【会員文献紹介】齋藤公子『がん患者の集団になにができるか――肺がんの罹患経験の社会学』

(現代書館 2024年3月)

(研究所facebook記事より抜粋)
昨年、学位論文を提出した齋藤公子さんの本が、早々に出版された。
審査委員として早く出版を、と伝えたが、出版助成も得てこれほど早いとは驚き。『がん患者の集団になにができるか--肺がんの罹患経験の社会学』(現代書館)。
著者自身が胃がんを罹患、がんの患者会活動に参加、その後大学院へ進学し、学位論文はとくに肺がん罹患の患者会活動を中心にまとめた。医師なども巻き込むアクティブな患者会活動に新鮮な驚きをもった。
著者のフィールドワークも伝わり、自身のポジショナリティも改めて問い直す成果である。編集経験をもつだけあってとても読みやすい。

 

 

<目次>
1章 課題の設定
2章 近年のがん医療と肺がん医療
3章 先行研究
4章 調査概要
5章 がんは人々の「生」にいかに影響するか――肺がん患者たちの語りから
6章 肺がん患者たちによる「知識のやりとり」――集団内での活動
7章 肺がん患者たちによる「生きる権利の訴え」――集団の外に向けた活動
8章 がん患者たちの集団になにができるか――結論