(お知らせ)ライフストーリー研究会・例会の開催について(2021年8月)
ライフストーリー研究会(LS研)例会の開催についてお知らせいたします。
(参加ご希望の方は、下記の「LS研 例会参加申し込みフォーム」ボタンよりご連絡ください。
参加申込みのボタンは、このホームページのトップページにもあります。)
貝沢正と「自然との共生」ナラティブ
【日時】2021年8月1日(日) 13:30~16:30
【形態】オンライン参加、リアル参加(若干名)
【報告者】新井かおりさん(北海道大学アイヌ・先住民研究センター)
(参加申込み締切 7月25日(日)12:00まで)■概要
アイヌについての強固なマスターナラティブに「自然と共生」する民族、というものがある。昨年度開園した国立のアイヌ文化の博物館「ウポポイ」はそ
の正式名称を民族共生象徴空間であるなど、「共生」という用語は現在においては行政用語としても用いられてきた。一方「共生」とは玉虫色的な言葉であり、見出す人によってその意味内容は異なっており解釈の余地が大きい。アイヌに関する「共生」の用語の用いられ方にはすでに、この用語によってアイヌと和人間の不平等な歴史が忘却されかねない(塩原2012、モーリス=スズキ2002)という批判はなされてきたが、管見においては特にアイヌに関する「共生」のはらむ問題に応答はないままで行政用語と化している。この点についての議論を、報告者は貝沢正(1912-1992)の文章から整理したい。
報告者は貝沢の文献を預かり、貝沢をアイヌ側からアイヌ史を解釈しなおそうとした人物と評価してきた。本報告では引き続き貝沢の文章から、貝沢の訴えで著名な二風谷ダムのもととなった訴えなどに見られる、貝沢の自然や歴史に対するパーソナルなナラティブと、梅原猛に代表されるアイヌと自然との「共生」のナラティブの、対立あるいは協調の関係を見る。それによって貝沢の、ひいてはアイヌによる近現代の自らに関するナラティブが、いかに外部から導入され変容し、そのことによっていかなる結果を生んできたかの一端を明らかにすることを目指す。
《参考文献》
塩原良和, 2012『共に生きる』弘文堂.
モーリス=スズキ,テッサ, 2002『批判的想像力のために』平凡社.
みなさまの参加申し込みをお待ちしています
*研究会はどなたでも参加自由(無料)です。
ご関心の方は、下記の申込みフォームよりお知らせください。
オンライン参加の方ヘは、参加アドレス(zoom)をお知らせいたします。
LS研究会⑧月例会参加申込み